ジャンプSQ.連載企画「小越勇輝のインタビューコーナー〜Another Story〜」番外編

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vol7 前編

小越

初めてリョーマ姿の僕を見たとき、どう感じましたか?

許斐
もうだいぶ前の話になっちゃうけど、でもすごく嬉しかったのは覚えてる。小越くんとはもともと『テニプリっていいな』(許斐先生のデビューシングル・2009年発売)のPVに出てくれて、それが最初の出会いなんだよね。
小越
はい。覚えててくださったんですね。
許斐
もちろん。だって「せっかく出てくれたし、今度テニミュを観に行かない?」って、小越くんを誘おうかなって思ってたんだから。でも観に行ったら小越くんがリョーマになっててビックリした(笑)。え、あの子に決まったの!?って。
小越
そうだったんですね。
許斐
『テニプリっていいな』のときの小越くんの映像ってあの歌にももちろんすごく合ってたし、なんかちょっと映ってる姿がリョーマっぽいなって思ってたんだよね。だから「あ、やっぱりこれは運命だったんだな」って。
小越
そう言ってもらえるとすごく嬉しいです。
許斐
でも一番ビックリしたのはドリライのとき。小越くんがめちゃめちゃ踊ってて、圧巻だった。最初にテニミュで観たときよりもすっごいダンスがうまくなってるんだもん。ダンスの経験って?
小越
なかったです。歌もダンスもどちらかと言えば苦手というか…人前で歌うのも好きじゃなかったから、カラオケ行っても歌わなかったし。もちろんミュージカルもテニミュが初めてだったので、最初は振りを覚えるとこからすごく苦労しました。
小越

漫画を描くとき、伏線やストーリーの展開は先にしっかり考えてから描くんですか?

許斐
伏線はけっこう後付けなときもあるんだよね。「ここはこういう展開にしたいんだけど…そうだ、あのときあの子がこう言ってたあれが伏線になるぞ」っていうのを上手く使ったりして。話の流れも一応考えておいて描き始めるんだけど、大抵は描いているうちにどんどん変わっちゃう。たとえば試合を描いていて「読者はおそらく青学が勝つと思ってるだろうな」という空気を感じたら、その逆を行くとか。もちろん、勝つにも負けるにもちゃんと意味がなくちゃいけない。そこはしっかり描きます。
ただ、描いているうちにキャラクターが動いてくれちゃうこともすごくよくあるし、物語がより面白くよりドラマティックになるんだったら進んで変更する。5分前と逆のことを考えついたり、描き始めてから途中で全部直すこともあるし。
小越
決めていた勝敗も変えちゃうんですか!?
許斐
氷帝戦もね、もともとの予定ではリョーマは補欠で出ないことになってたんだけど、2、3試合描いた時点で日吉と戦わせたくなって、そのためにはどうしようか? タカさんが同点になれば、ないはずの第6試合まで行くし…これは読者を騙せるぞ!って。
小越
え、最初の予定のまま描いていたら日吉戦はなかったってことですよね。
許斐
そう。そうやって"ない"ところに入っていくのが好きなんだよね。自分の中に「みんなが思っていることは絶対したくない」という思いが常にあるから、もしかしたら無理かもしれなくても、ありえないことかもしれないアイデアのほうを採用したくなっちゃうのが許斐 剛なんです。読者をもっと楽しませたい、もっと裏切りたいって(笑)。
でもリョーマのキャラクターは決してブラさない。クールなんだけど仲間を大切にしている子。そして、とにかくみんなと勝ちたい、上にいきたい、俺はまだまだ上に行くよっていうその強い信念は絶対に曲げなかった。そうすることで読者とリョーマの間に強い信頼関係もできるんだよね。だからどんな敵が来ても、どんなピンチにが襲っても「リョーマならなんとかしてくれる」って思っちゃうわけ。そういうみんなにとってのカリスマを創りたかったし、小越くんにもその精神はしっかり宿っていると思ってます。
小越
最初は金ちゃんが主人公の予定だったんですよね?
許斐
スポーツ漫画だしね。イケイケ元気キャラな金ちゃんは、自分が雑誌で「描きたい」と思って生み出したキャラクターで、リョーマはそのライバルとして登場させたキャラだった。でもそのクールなライバルの存在がとっても好評で、「こっちを主人公にしましょう」って変更になって。まぁ、結果としてそれがよかったんだけどね。予定外だった分、自分の中のテンプレみたいなところをナシにして描けたから。リョーマを主人公にしたことでクールな天才が上を目指して突き進んでいく物語になって、じゃあ主人公のクールを引き立たせるためには、周囲にいろんなキャラを登場させていこう…と膨らんでいって。
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