ジャンプSQ.連載企画「小越勇輝のインタビューコーナー〜Another Story〜」番外編

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vol2

小越

不動峰と氷帝、それぞれの"チームの絆"についてはどう考えてる?

岡崎
不動峰は…『真剣勝負とはそういうこと』ってナンバーがあるけど、あの歌詞、「♪苦労して手に入れたこのポジション〜」とか、ほかにも自分たちの状況とリンクする部分がホントにたくさんあるんだよね。だから歌うときはみんな毎回毎回思いが溢れて泣きそうになっちゃうんだけど、そこで泣いてしまったらお芝居そのものが荒くなってしまってお客さんにもきちんと想いが届けきれないから、いつもなんとか我慢してて…。不動峰メンバーが44公演すべて、そういう気持ちを抱えながらステージに立ったっていうのは、やっぱりすっごく強烈な思い出として残ってる。
伊勢
不動峰ってジャージもカッコいい。あの胸の刺繍!
小越
ときどきそこをグッと掴んだりして、ね。
伊勢
そうそう! それもカッコいいんだよ! ずるいなぁ〜(笑)。
岡崎
(笑)でしょ〜? 不動峰代表としてはあのポーズ、今回のステージでも絶対一回はやりたいと思ってます(笑)。
伊勢
やってやって! 生で観れるの楽しみっ。
小越
氷帝はどう?
伊勢
俺ら氷帝はすっごく話し合いが多かった気がする。稽古場でも他の場所でもツネくんの「氷帝集合!」の一言で、バーーッて全員集まって。
小越
あれすごいよね〜。
伊勢
和田のたっくん(6代目手塚・和田琢磨)がそれを真似するのがすごく上手なんだよ。
小越
一回引っかかってたよね(笑)。
伊勢
うん。「氷帝集合!」…ん? 集まったけど…なんだよ〜違うじゃん!って(笑)。でもホントになにかあるとすぐにみんなで話し合い。関東氷帝(「青学vs氷帝」2011年)ではずっとそんな感じで一緒にいたなぁ。でも全国氷帝公演(「全国大会 青学vs氷帝」2013年)ではそのツネくんの「集合!」がなくなったんだよね。一度ひとつになれた信頼感とか絆があるからもう心配ないっていう…成長? みんなも「これが新たな俺たちのスタイルだ」って、すぐに慣れたし。でもまぁ、氷帝に限らずテニミュカンパニーってなんかもうずっと一緒でしょ? 誕生日、クリスマス、大晦日、お正月に…。
岡崎
節分とか?
小越
あと、成人式も! そう考えると、なんかすごい。
伊勢
大体の記念日一緒に過ごしてる。特別で特殊なつながりを感じるよ。
小越

「テニミュカンパニーで得たモノ」とは?

伊勢
ほかのお仕事を体験して改めて「育ててもらってたんだな」って実感した。例えば楽屋を掃除するとか衣裳を片付けるとか…当たり前のことかもしれないけど、意外にそういうのって、他の現場だと担当してくれるスタッフの人がいてくれて自分たちでやらないことも多いんだよね。でもテニミュでは「自分たちでやることなんだよ」って教わった。実際、自分たちが使った施設を前よりもキレイにして返すのは気持ちがいいし、片付けもやったことがあるからこそ代わりにやってくれるスタッフさんがいるときは自然に「ありがとうございます」って感謝できるし。なんだろう、役者という前にひとりの社会人としての心構えや振る舞いを覚えたのが…自分はね、テニミュの現場だった。
岡崎
俺は…"つながりの強さ"かなぁ。いい意味で仕事だけど仕事じゃない感じというか、やっぱり部活っぽいというのがしっくりくる感じで。稽古後にみんなで語り合う=試合後に部室で語り合う、みたいな感覚がすごくあったし、本当にみんなが「試合に勝つにはどうしたらいいか」っていうような気持ちで…芝居のことを話すというよりも、精神的なことをぶつけ合っている感覚。あの空気はちょっと特別だよね。スポーツっぽいんだよ。とっても。
小越
体育会系ってこと?
岡崎
そうです(笑)。そういうのって、やっぱり他ではまだ味わったことないなぁ。あんなにも互いの距離感が否応無しに近くなっちゃうのは、テニミュならではだと思う。最初にテニス合宿があるっていうのも大きいんだと思う。だって、合宿する舞台なんてほぼないからね(笑)。
小越
確かに。テニミュはすべてが濃密なんだよね。最初は人見知りしてても、ある瞬間、絶対にグッと近くなっちゃうから。
伊勢

前からずーっと聞いてみたかったんだけど、勇輝の筋肉ってどうなってるの??

岡崎
あ、それ俺も思ってた!! 勇輝の筋力というか体力というか、あのスタミナ。ほんとすごいよね。やっぱり毎日走ったりしてるの?
小越
走ってない。…近所をランニングしたりするのって、景色も変わらないし、なんか飽きちゃうんだよね(笑)。
伊勢
俺、ちょっと体力作りしてるとすぐ「足が太くなったね」って言われるのが悩みなんだけど、勇輝は身体は太くはならないけどちゃんと必要な筋肉がついていくから羨ましい。筋肉の質がいいんだろうね。
岡崎
そういうことだよね。憧れるよ。
伊勢
うん。やっぱ勇輝いいな〜。リョーマ、最強だよ!
岡崎
ホントホント! リョーマって強いよね。カッコいいよね。
小越
ちょっと、ふたりともどうしたんですか!?
岡崎
リョーマと戦った相手はみんなこうだと思うよ。やっぱりリョーマと試合が出来るのは嬉しいし、負けても気持ちがいいというか、戦うことで芽生える感情があるからさ。リョーマの負けず嫌いなところとかも、まんま普段の勇輝だし。
小越
それはね…そう思う、今はね。でも最初は自分とリョーマがそんなに似てるところがあるとは思わなくて、周りに言われて初めて気づいたんだよね。
岡崎
それはいつぐらい?
小越
2ndシーズンの一番最初のテニス合宿のとき。「負けず嫌いだよねぇ」って言われて、「そう言えばそうだったかも」と。
岡崎
確かに! 合宿でみんなで縄跳びをやったときも、確か勇輝が最後まで残ってるのを見て「負けず嫌いだなぁ」って思ったもん(笑)。リョーマが試合の終盤になればなるほど疲れるどころかテンションが上がっていくのにも、ちょっと通じてるところがあったし。
伊勢
あれはねぇ…対戦相手からしたらもう絶望的な強さだよね。俺、公演中にリョーマと戦ってガチで泣いたこと、覚えてる?
小越
覚えてるよ。何回かあったよね、試合終わったあと。
伊勢
日吉は試合が終わるとホントに身体も心もボロボロになっちゃうんだよ。しかもベンチに下がるときに一番最初に目に入るのが跡部の姿で、跡部は俺の前にすごくいい試合をしたのに自分は…って。もうすっごく申し訳ないし、悲しいし、くやしいし。で、一方リョーマを見ると飄々としてるしさぁ〜。
小越岡崎
(笑)
伊勢
「リョーマ、強いよなぁ」って。で、なんていうか、最終的には好きになっちゃうんだよね、リョーマを。
岡崎
なるね。敵だったはずなのに、いつしか大切な同士のように思える。
小越
うん。やっぱり直接戦うことでこそ相手の深いところが見えてきたり、芽生えてくる特別な絆って絶対あるよね。なんか…結果的に今日はふたりからたくさん"愛"をもらった気がするよ(笑)。ありがとうございました!

集合するなり一気に会話に花が咲いた3人。このメンバーでじっくり話すのは初めてとのことでしたが、試合をした者同士ならではの通じ合う想いや感覚は強烈。当時を思い返してトークを進めるうちにステージ上で抱いていた熱さがフラッシュバック、感極まる瞬間もあったようで──。
全編"テニミュ愛"にあふれた素敵なお話が聞けました。

そして次回は…あの方々の登場です!