クローズ・アップ

座談会 vol.2

聖ルドルフ②

皆さんの呼び名を教えてください。

宮城紘大
聖ルドルフメンバーには「紘大」と呼ばれてるんですけど、青学には(河村役の滝川)広大さんがいるので、「みやこ」とか「KD」とか呼ばれますね。
大原海輝
僕は名前が珍しいのか、そのまま「海輝」です。
佐川大樹
「大樹さん」とか「大樹くん」ですね。(大石役の石田)隼くんにだけは「大ちゃん」と呼ばれます。もともと友達だったので。

周りの皆さんから見て、キャストと演じるキャラとの共通点はありますか? まずは宮城くん。

宮城紘大
自分で思うんですよ。日本とブラジルだなー、って。
佐川大樹
正反対ってことだね。
大原海輝
すごい比喩だ(笑)。
宮城紘大
知的でもクールでもないし、好きな食べ物も反対。彼は結構勝ちにこだわるのですが、僕は「仕方ないよ〜」と言ってしまうほうです。
佐川大樹
楽しめれば良いタイプだよね。
大原海輝
普段からよく笑ってるもんね。素直にいいなと思ったところを伝えただけなのに、照れて赤くなったりするし。稽古が始まってからは「こういう観月もありなんだ」という驚きがありました。
宮城紘大
やっぱり「変人感」がある? あとは「地に足が着いていない感」だよね。フワフワ感。
大原海輝
自分で言う?(笑) でも、観月を意識しはじめて少し落ち着いたかな。テンションは相変わらず高いけど、前と比べると、何か言う前に一回考えるようになったのが分かる。
宮城紘大
思いついたことをパーンと口に出しちゃうんだよね……気をつけてるんだけど。
佐川大樹
でも、ムードメーカーなところがあるから、ある意味、みんなの中心にいるところは観月と似てるかもね。

佐川くんはどうですか?

宮城紘大
似てるというか……、そもそもノムタクさんのキャラが謎めいているからね(笑)。
大原海輝
僕はノムタクといえば「いじられるキャラ」というイメージがあるのですが、大樹くんは両方やってくれるよね。いじってくれるし、誰からもいじられる。
宮城紘大
いつもボケるわけじゃないけど、たまーにぽっとボケるよね。でも「空気が読めない」というイメージがあるノムタクに対して、大樹くんは読めちゃうから、そこは違うかな(笑)。
大原海輝
いつも気遣いができる人だし、とにかくジェントルマン。もともと歌をやっていたから、どの音が合っているかも分かるし、歌リーダーだよね。
宮城紘大
そうそう、言うところは言ってくれるし、タイミングも図ってくれる。聖ルドルフでは(柳沢役の尾関)陸くんと大樹くんが落ち着いてるよね。
佐川大樹
じゃあ、もっとはしゃごうかな(笑)。僕も陸のことは落ち着いてると思うけど、タイプがちょっと違うかな。
宮城紘大
陸くんは「個」を大事にしていて、ストイックで、的確なことをスパーンと言ってくれる。大樹くんは、みんなで良いものを作るにはどうすればいいのか考えてくれる感じがするな。

大原くんはどうですか?

佐川大樹
裕太は熱さが前面に出ているけど、海輝はポーカーフェイスだよね。
宮城紘大
第一印象は、とにかく「おしゃれな人!」だった。髪型から、雰囲気から、声も少女漫画に出てきそうな感じがする。
大原海輝
照れますね(笑)。
佐川大樹
僕は昔から知っていたのだけど、出会ったころはもっと子供っぽいイメージがあったよ。今は全然そんなふうには思わないし、意外と芯があるのも分かったけど。
大原海輝
この1年半で人間的にめちゃくちゃ変わったんですよ。昔は「ワー! キャー!」と騒がしかった(笑)。
宮城紘大
でも、合宿が終わるとイメージが相当変わった。一見クールなんだけど、リョーマ役の一紀に負けたくないなという思いをすごく感じたし「こんな熱いところがあるんだ」と驚かされたよ。
佐川大樹
稽古でもよく悔しがっている姿を見るし、ダンスのときも、表情には出ていないけど負けず嫌いなんだろうなと思う。
大原海輝
それはすごくありますね。表に出していないだけで、ものすごく負けず嫌い。特にリョーマには絶対に負けたくないです。

合宿のエピソードを教えてください。

佐川大樹
僕は縄跳びができなさすぎて、チームプレイをしなきゃいけないときにみんなに迷惑をかけて、すごく悔しかった。
大原海輝
でも、大樹くんは一番ストイックだったよ。終わった後も1人で外に出て練習していたし。僕は何をするにも一紀くんの近くでやるようにしていました。トレーニングのときも、競走の時もすべて、自分のなかでライバル視するようにしていました。一紀くんはとてもストイックですよ。やっぱリョーマだなと、近くにいるほど実感します。
宮城紘大
あと、エピソード的には(木更津役の佐藤)祐吾くんが2日目に大号泣したのが僕は一番面白かったですね!
大原海輝
反省会で1人ずつ話していたときに、いきなり間ができて「なんだ?」と思ったら、「ごめん先に言っとくね。俺、泣き虫なんだよ」って号泣していて(笑)。
佐川大樹
チーム対抗の練習メニューがあったんだけど、チームとして青学に負けてしまったのが、すごく悔しかったんだよね。あいつは本当に負けず嫌いなんだよ。その分、頼りにもなる。あと、紘大も涙を流したよね(笑)。
宮城紘大
それ、言っちゃうの!?(笑) みんなで手を繋いで輪になってやる「スリークッション」(スクワット)が本当に全然できなくて、悔しくて。でも、2回目は最後まで絶対にやりきろうと思ったし、隣で手を繋いでくれているメンバーにすごく助けられました。手を握っているから、分かるんだよね。力強さが。
大原海輝
みんなで檄を飛ばしあったりしたもんね。
宮城紘大
1人では無理だったなと思う。合宿が終わった次の日、マネージャーさんに電話したら「自信が少しついたのが声で分かる」と言われたんです。本当にまだまだなんですけれど、自分はこれだけやったんだぞという思いがあった。これから絶対もっともっと大変なことがあるだろうけど、そのときにみんなで思い出せる良い経験になりました。

現在のチームの雰囲気はどうですか?

宮城紘大
7人の普段からの立ち位置が見えてきたね。すごく仲が良いし、1人1人が真剣に自分の役のことを考えている。その一方で、稽古中にもうちょっと周りが見えるようになるのが課題かな。
大原海輝
そうやって自分の課題が何なのか気づくことで、良い意味での緊張感が生まれてきたと思います。お互いのダメなところも指摘し合えるようになったし。
佐川大樹
でも、たまに「みんな本当に言い切れてるのかな」とは思うよ。まだまだ抱えたままのことがあるんじゃないかって。それもちゃんと出し切れるようになるのが必要だよね。普段すごくみんな仲良いし、雰囲気は絶対に良いので、それがチームでダンスや歌やお芝居をするときに活かせれば、もっともっと「その先」へ行けると思うな。
宮城紘大
うん、がんばっていこう!

お客様に注目してもらいたいポイントを教えてください。

宮城紘大
観月としては、試合での感情の移り変わりを見て欲しいですね。あとはベンチにいるとき、他の選手は試合を応援するのが中心ですが、観月は自分の中でのシナリオがあって、青学の成長のせいで、思い通りにいかない悔しさを感じていたりする。そのことが表情からも伺えるようにしたいと思っています。
佐川大樹
僕は裕太とのやりとりはもちろんのこと、ノムタクが歌うところにも注目してもらいたいです。僕は歌をやってきたとはいえ、自分が目立ってはダメで、ノムタクとしてどう居られるかが大事だと思っているので、聖ルドルフというチームの中で歌うノムタクを表現したいですね。
大原海輝
裕太だから絶対に笑っちゃいけないのに、ノムタクさんとの絡みはいつも面白すぎて必死にこらえているくらいなので、楽しみにして欲しいですね。裕太は兄貴との関係もあるし、リョーマとの試合もあって、人間としての見どころがたくさんあります。試合を通した変化を感じていただけると嬉しいです。

最後にファンの皆様に一言お願いいたします。

佐川大樹
野村拓也という未知のキャラを、全力で作り上げたいと思っています。聖ルドルフとしても、ミュージカル『テニスの王子様』しても良いものが作れるよう、全身全霊で臨みますので、劇場にぜひ来ていただいて、僕のキャラで少しでも笑っていただけたら嬉しいです。
大原海輝
それぞれ一つのことに打ち込んでいるキャラが多い聖ルドルフに、今回初めて明るいノムタクが入ったことで、色が増えてより鮮やかなチームになっているはずです。劇場に来てくださったお客様全員に「不二裕太」を覚えて帰っていただけるよう、一生懸命演じますので、よろしくお願いします。
宮城紘大
優秀なエリート集団である聖ルドルフに、ノムタクというスパイスが加わって、より面白いチームになっているはずです。青学とは違ったカラーの僕たちを、ぜひ観に来てくださいね。