クローズアップ
インタビュー郷本直也編
郷本直也 ――それではまず、前回公演の感想から。

初めてダブルスで、栄治さんといろいろネタを出し合ったりするのが楽しかったですね。
海堂って今までソロのシーンが多かったので、ひとりでネタを考えてる事が多かったんですけど、2人で"ああしよう""こうしよう"って言いながら稽古できるのって楽しいなって。栄治さんとも、いろいろ話が出来ましたし。
ただ前回公演の時はスケジュールの関係で、僕は稽古に1〜2週間遅れての参加だったんで、みんなの輪に入りづらくなっちゃって、打ち解けるのに苦労しましたね(笑)
もともと海堂を演じる時は、稽古場でも意識的に一人になったりという事をしてはいたんですが…ルドルフの時は、みんなとあまり話もしないまま本番を迎えてしまって。
神戸に入ってから、やっとルドルフのメンバーとも部屋でゆっくり話したりできたんで、よかったんですけど(笑)
だから、今回の"不動峰"は、絶対、初っ端から飛ばしていこう!って決めてるんです。


――青山くんと二人で、みんなを引っ張っていこうと頑張ったとか。


ああ、そうなんですよ!僕と草太が年齢的にも真ん中くらいじゃないですか。今まで初演からずっとやってきたメンバーでもあるし、僕らが引っ張っていこう、と。そういう気持ちは草太にもあったみたいで。まあちょっと空回りした事もあったけど、そういう時は草太ともダメ出ししあって(笑)
つっちー兄さんに相談したりもしましたね。
まあ草太とはもう…初演からずっとそうなんですけど、今回もいろいろ二人で相談しあって、「大丈夫だよ、引っ張っていこうよ!」なんて励ましあったりもしてましたね(笑)


――千秋楽を迎えた時は、どうでしたか?

「終わった…!」って(笑)
なんだか、今までの公演とはちょっと違う心境でしたね。
これまで、芝居の途中で素は出さないぞって決めてたんですけど、最後の歌の途中で泣いてしまって、歌えなくなってしまって。
それにつられて森山栄治さんも泣いてて、「栄治さんまで泣くことないやん!」「お前が泣くからじゃねぇかよ!」って(笑)
いつも「俺は泣かない」って言ってる人たちも、ちらっと涙を見せたりしてて。みんなにとっての涙の理由はそれぞれあると思うんですけど、僕と草太は特に、「ああ、お疲れ!」っていう涙だったかもしれないですね。


――これまでのミュージカル『テニスの王子様』の公演の中で、いちばん好きなシーンは?。

うーん、自分のシーンだったら…僕は舞台の上で、いつもトレーニングしたり、みんながダンスしてるのにひとりで腕立て伏せやってたりしてて(笑)いちばん動いてると思うんですけど、そういう努力してるシーンだとか、試合のシーンだとか、頑張ってる場面は、海堂らしさが出てるので好きですね。
自分以外のシーンで言ったら…僕、つっちーのシーンがけっこう好きで。つっちーの芝居が好きなんですよ。シーンというか、細かい間とかが。

――いちばん印象に残ってる出来事は?

やっぱりすぐに出てくるのは追加公演の越前との試合のシーンでセリから落ちた事。もうね〜、あの時は、まだ緊張もしてて、台の上で一生懸命ね、「俺は海堂になりきるんだ!」って(笑)ここでカッコ良く決めるぞ!…っていうところで、ズリ!でしたからね〜。ちっとも決まってないやろ!っていうね…あれはね、もう多分、これからもまた思い出すと思いますねえ。
一生懸命はいいけど、冷静にね!と…(笑)
郷本直也

――テニミュメンバーへ、何かひとこと。


もう少し優しくして下さい!っていう…(笑)
もうみんなして僕の事"幸薄い"って…ねえ?あのね、僕は、それは違う!と言いたいですね(笑)もうすっかり"幸薄扱い"になってるけども、そういう扱いに慣れてきてる自分も嫌やし!(笑)
まあでもこのテニミュメンバーは、東京にひとりで出てきて、まだ友達もいなかった時から唯一交流ができて、今ではメンバーひとりひとりとすごい仲良くなれて、プライベートでも飲みに行ったり、遊んだりするようになったから…。まあ、このミュージカルが終わっても、末永くいい仲でいて下さい、ということですね、やっぱり。

――今回の公演への意気込みをどうぞ。

もう最後だし、とことんやろう!と。でも初心を忘れずに、海堂をまた改めて作り直そうかなとも思ってますね。まあ僕の場合、もうちょっと軽く(笑)楽しんでやりたいですね。
上島さんがどういう演出をつけてくれるのかも楽しみだし。
メンバーはみんな、卒業公演!っていう意気込みがあるじゃないですか、きっと。だから、みんなもどんな風にテンションが上がってくるかも楽しみですね。僕もそれに押されないよう全力を出し切って、みんなも全力を出し切って…そしたらきっとこの卒業公演が、この一年半やってきたことの集大成としてお見せできると思うんで、もうやるっきゃない!って感じですね。

――それでは最後に、HPをご覧の方にひとこと!

え〜、この帽子はこういう帽子で、大仏ではありません!
いや、Kimeruやら永山たかしやらが散々、大仏、大仏って言うもんだから…。大仏じゃないし、けっこう気に入ってるんです!(笑)
…それでですね(笑)
今までこの一年半、海堂薫を演じさせていただいて、ホント色んな経験をさせていただきました。みんなの思い通りの海堂になったかわからないけど、最後までホントに悔いの残らないよう、自分らしい海堂薫を演じたいと思っているので、楽しみにして下さい。ホントに、ありがとうございました。
 © 許斐剛/集英社・NAS・テニスの王子様プロジェクト © 許斐剛/集英社・マーベラス音楽出版・ネルケプランニング
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